年齢を重ねると気になる「ほうれい線」「頬のたるみ」「目元の小ジワ」。
これらは加齢に伴うコラーゲン減少と皮膚の弾力低下が主な原因です。
最近、手術に頼らず“たるみ改善”を目指す方法として注目されているのが、
RF(Radiofrequency:ラジオ波)治療。
2025年に発表された中国の研究
「Clinical Application of Radiofrequency Technology in the Treatment of Facial Skin Wrinkles and Laxity」では、
顔のたるみとシワに対するRF治療の臨床効果と安全性が詳細に検証されました。
💡 RF(ラジオ波)治療とは?
RFとは、高周波電流によって皮膚深部を加熱し、
線維芽細胞(コラーゲンを作る細胞)を刺激して新しいコラーゲン産生を促す技術です。
レーザーのように表皮を傷つけることがないため、
- ダウンタイムがほとんどなく
- 肌質を自然に改善し
- 長期的にハリを取り戻す
というメリットがあります。
🧪 研究概要
- 対象者:40〜65歳の女性120名
- 治療内容:顔全体にRF照射(週1回×6回)
- 評価方法:治療前後での皮膚厚・弾力・水分量・皺スコアの変化
- 追跡期間:6か月間
📈 結果:RF治療は「自然な若返り」を実現
研究の主要結果は次の通りです。
| 評価項目 | 治療前 | 6か月後 | 改善率 |
|---|---|---|---|
| 真皮厚 | baseline | +18.6% | 👍 |
| 弾力(エラストメトリー) | baseline | +23.2% | 👍 |
| 水分保持量 | baseline | +14.5% | 👍 |
| 皺スコア | baseline | −28.3%(減少) | 👍 |
視覚的にも、ほうれい線やフェイスラインのゆるみが軽減し、
「自然で健康的な若返り」が確認されました。
🩺 安全性と副作用
副作用は軽度で、一過性の赤み・熱感程度。
やけど・瘢痕・色素沈着といった重篤な有害事象は報告されていません。
RF治療は皮膚の表面温度を一定に保ちつつ、真皮層だけを加熱する制御技術によって、
安全性が大幅に向上しています。
また、研究では「治療直後よりも2〜3か月後に効果が最大化」する傾向があり、
コラーゲン再生が遅効性であることも確認されました。
🔬 医学的メカニズム
RFによる熱刺激は、真皮層で一時的なタンパク変性を引き起こし、
これが線維芽細胞の「修復反応」を活性化します。
結果として:
- 新しいコラーゲン(Type I, III)の増生
- 弾性線維の再構築
- 微小循環の改善
が起こり、皮膚の弾力・潤い・明るさが向上します。
🌿 今後の展望:産婦人科・美容皮膚科の交差点へ
論文の著者らは、「RF技術は顔だけでなく、膣・外陰部の美容医療(Aesthetic Gynecology)にも応用可能」と述べています。
すでに産婦人科領域では、更年期女性の膣の乾燥・弛緩に対してCO₂レーザーやRF治療を用いた研究が進行中です。
つまり、RFは「肌と粘膜の再生医療」という共通テーマで、
美容皮膚科と産婦人科をつなぐキーテクノロジーになりつつあります。
💬 医師のコメント
RF治療は、手術を伴わない「コラーゲン再生療法」として非常に有望です。
即効性を求める治療ではありませんが、肌の代謝を根本から整える点で、
スキンケアやホルモン治療とも相性が良いと考えられます。
患者への説明としては、
「1回で劇的に変わる治療ではなく、3〜6か月かけて自然に若返る」
という時間軸の理解が重要です。
✨ まとめ
- RF治療は加齢肌に対してコラーゲン再生を促す科学的アプローチ
- 顔のシワ・たるみに対して非侵襲的・安全・効果的
- 膣・外陰部への応用も進行中で、産婦人科領域との親和性が高い
- 今後はホルモン治療・抗酸化ケアと組み合わせた統合的美容医療へ発展が期待される

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