「お風呂に入った日はよく眠れる気がする」──。
実はその感覚、医学的にも正しいんです。
最近「熟眠できない」「夜中に目が覚める」と悩む方が増えていますが、睡眠の質を高めるためのシンプルで効果的な方法のひとつが“入浴”。今回は、熟眠と入浴の関係を医師の視点から解説します。
🔹 体温と睡眠の深い関係
私たちの体は、深部体温(内臓の温度)を下げることで入眠しやすくなる仕組みを持っています。
お風呂に入ることで一時的に深部体温が上昇し、その後自然に下がるときに、眠気が訪れやすくなるのです。
つまり「入浴→体温上昇→体温低下→眠気」の流れが、自然な入眠をサポートしてくれます。
🔹 40℃のお湯 × 15分がベスト?
では、どんな入浴が睡眠に効果的なのでしょうか。
研究によれば、就寝の約90分前に40℃前後のお湯に10〜15分間浸かるのが理想的とされています(Haghayegh et al., 2019)。
このタイミングでの入浴は、深部体温の自然な低下を誘導し、寝つきが早くなり、深いノンレム睡眠が増えると報告されています。
🔹 シャワーだけではもったいない!
忙しい現代人の多くはシャワーで済ませがちですが、シャワーのみでは体の深部までは温まりにくく、リラックス効果も限定的です。
湯船にゆったり浸かることで、副交感神経が優位になり、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌も抑制されます。これが、睡眠の質向上にもつながるのです。
🔹 入浴×睡眠のゴールデンルール
- 就寝90分前に入浴がベスト
- お湯の温度は38〜40℃のぬるめで
- 入浴時間は10〜15分が目安
- アロマやキャンドルを使えばさらにリラックス🕯️
🔹 医師からひとこと
眠れないと悩む前に、「お風呂の入り方」を変えてみてください。高価なサプリや睡眠薬よりも、毎日の入浴習慣が自然な眠りへの第一歩になるかもしれません。
📝まとめ
- 入浴は深部体温のリズムを調整し、熟眠をサポート
- 就寝90分前にぬるめのお湯でリラックス
- 湯船に浸かることでストレスホルモンも軽減
- 熟眠=美肌・メンタルケアにもつながる

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