── お酒と美容、体質&生活習慣から考える美肌の法則
はじめに
前回の記事では、「お酒を楽しみつつ、美容にも気を使いたい」方向けに、飲み方やおつまみ選び、飲酒後のスキンケアの工夫などをご紹介しました。
今回はその続編として、
「同じように飲んでいるのに、なぜ肌に出る人と出ない人がいるのか?」
この“個人差”に注目してみましょう。
実は、お酒による美容ダメージの現れ方は、体質・生活習慣・代謝力の違いによって大きく左右されます。
1. 肝機能の強さ=肌の回復力
まず最も大きな差は、肝臓の解毒能力です。
お酒を分解するには、
- ADH(アルコール脱水素酵素)
- ALDH2(アセトアルデヒド脱水素酵素)
という2種類の酵素が必要ですが、日本人の約40%はALDH2の活性が弱い、または持っていないとされます。
🔍 つまり:
- 肝機能が強い人 → 体内に毒素を溜めにくく、肌にも出にくい
- 弱い人 → 血中に残ったアセトアルデヒドが活性酸素を生み、炎症・老化・くすみに直結
✅ 肌にすぐ出る人=肝臓が悲鳴を上げているサインとも言えるのです。
2. 腸内環境と肌は表裏一体
腸内環境が乱れていると、
- 肝臓の負担が増え
- 栄養の吸収効率が落ち
- 肌に必要なビタミン・ミネラルが不足
- 慢性炎症による肌荒れや赤みの原因に
特に飲酒後は腸内フローラが乱れやすく、「便秘しやすい人」「疲れやすい人」は肌の調子も崩れやすい傾向があります。
▶ 美容のためには、飲んだ翌日は腸を整える意識が必須です。
3. 睡眠の質で肌の回復が決まる
「お酒を飲んだ日はよく眠れる気がする」という声は多いですが、実際は:
- 入眠は早くても、深いノンレム睡眠の質が低下
- 成長ホルモン(肌の修復ホルモン)の分泌が減る
- 結果として、肌の再生・回復が遅れる
✅ 肌にダメージが“出ない人”は、飲酒後も睡眠の質をしっかり確保している人に多いのです。
4. 「飲む前」「飲んだあと」のケア習慣が分かれ道
同じ量・同じ種類のお酒を飲んでも、ケアの有無で肌の差は歴然です。
タイミング | 肌にやさしい人の習慣 |
---|---|
飲む前 | コップ1杯の水+軽食(胃の保護・吸収速度の調整) |
飲み中 | 水を交互に飲む(チェイサー)、塩分や脂質を控えめに |
飲んだあと | 丁寧な保湿+抗酸化スキンケア、ビタミンC補給、水分摂取 |
翌朝 | 白湯・果物・腸活メニューでデトックス&代謝回復 |
▶ 肌に出ない人ほど、“飲酒を一過性のイベントとして終わらせない”生活習慣が身についています。
5. 美容を意識した飲み方、実践チェックリスト
最後に、「私は肌にやさしい飲み方ができている?」を確認できるチェックリストを用意しました👇
✅ 美容と両立する飲酒習慣チェック
- □ 飲酒時は水をこまめに飲んでいる
- □ 飲む前後にビタミン(C・B群)を摂取している
- □ 翌日は肌にやさしい食事・早めの就寝を意識している
- □ おつまみにナッツや枝豆、アボカドなどを選んでいる
- □ 週に2日以上は休肝日を設けている
→ 3つ以上当てはまれば、美容意識の高い“肌思い飲酒”ができています!
医師からのひとこと
「お酒をやめる or 飲む」の2択ではなく、
「飲むけどケアする」という第3の選択肢が、今の時代に合った美容習慣です。
体質に合わせて、自分に合った飲酒ペース・ケア方法を見つけることで、
「肌にも罪悪感にも負けない、気持ちのよい時間」が実現できます。
美容は、生活習慣の“積み重ね”です。
一度の飲酒で肌がすべて崩れるわけではありません。
でも、そのあとの行動が“美肌力”を大きく左右します。
まとめ
- 肌への影響は体質・腸・睡眠・ケア習慣で大きく変わる
- 飲酒後のリカバリーが“肌を守るカギ”
- 美容も楽しみも、両立できるセルフケアを身につけよう
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