はじめに
「最近、肌が荒れやすい」「寝ても疲れが取れない」「イライラしやすい」
それ、実は“仕事疲れ”が原因かもしれません。
現代人の多くが抱える慢性的な疲労は、心と体、そして肌にまで影響を及ぼすことが、最新の研究でも明らかになっています。
仕事疲れ=「交感神経過多」で肌も心も乱れる
仕事のストレスや長時間労働が続くと、自律神経のうち「交感神経」が優位になり続けます。
この状態が続くと、以下のような不調が現れやすくなります:
- 睡眠の質の低下
- 肌のターンオーバー遅延
- ホルモンバランスの乱れ
- 慢性的な疲労感と集中力の低下
特に、交感神経が優位になるとストレスホルモン「コルチゾール」が増加し、肌の炎症や皮脂分泌を促進。ニキビやくすみ、毛穴トラブルが起きやすくなることが報告されています(Chen et al., 2014)。
睡眠の質が肌の修復力に直結
肌の修復は主に夜間の成長ホルモン分泌時に行われるため、睡眠の質は非常に重要です。
しかし、仕事疲れによる過緊張状態では「浅い眠り」になりやすく、肌再生に必要な時間が確保できません。
実際、短時間睡眠(5時間未満)の人は肌のバリア機能が低下しやすいという報告もあります(Oyetakin-White et al., 2015)。
医師おすすめ:簡単にできる3つのセルフケア
① 帰宅後の“入浴+深呼吸”
40℃前後のぬるめのお湯に10分ほど浸かることで、副交感神経が優位に。
ゆっくり5秒吸って7秒吐く呼吸を数回繰り返すと、脳と腸もリラックス。
② ストレス軽減おやつ「ナッツ+ヨーグルト」
ナッツのオメガ3脂肪酸と、ヨーグルトの乳酸菌は腸内環境を整え、脳と肌の炎症を抑える助けになります(Jacka et al., 2017)。
③ 就寝前のスマホ断ち
ブルーライトやSNSによる刺激は、眠気を遠ざける大きな要因。
寝る30分前にはスマホを閉じ、読書やアロマなどで「眠りの儀式」を作るのがおすすめ。
まとめ
仕事疲れが続くと、肌荒れ・睡眠不良・気分の落ち込みが重なり、美容にも健康にも悪循環。
でも、ちょっとした習慣の見直しだけで、心も肌も回復力を取り戻すことができます。
無理にがんばりすぎず、できることからひとつずつ。
あなた自身の“リセット時間”を意識することが、美しさと元気を保つカギになります。
📚参考文献
- Chen Y. et al. (2014). The role of stress in skin disease. J Invest Dermatol.
- Oyetakin-White P. et al. (2015). Does poor sleep quality affect skin aging and recovery? Clinical and Experimental Dermatology.
- Jacka FN et al. (2017). Nutritional psychiatry: the role of diet in brain health. The Lancet Psychiatry.
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