「夏になると脇汗や体臭が気になる…」
そんなお悩み、ありませんか?実は、汗そのものは無臭。しかし、皮膚の常在菌や生活習慣によってニオイが強くなるのです。
この記事では、医師の視点から体臭と脇汗の仕組み、そして正しい対策法をわかりやすく解説します。
✅ 体臭の原因は“汗+皮膚常在菌”
私たちの体には2種類の汗腺があります。
- エクリン腺:体温調節のためのサラサラ汗(無臭)
- アポクリン腺:脇や陰部に多く、タンパク質や脂質を含む汗(ニオイの原因になりやすい)
アポクリン腺からの汗は、皮膚にいる常在菌によって分解され、ニオイ物質が発生します。特に、思春期以降にニオイが強くなるのは、ホルモンの影響でアポクリン腺が活発になるからです。
✅ 脇汗が増える理由とは?
- 暑さ・運動による体温上昇
- 緊張・ストレスによる自律神経の乱れ
- ホルモンバランスの変化(思春期・更年期)
- 食生活(脂っこい食事・にんにく・アルコール)
ストレスによる発汗は「精神性発汗」と呼ばれ、主に脇や手のひら、足の裏に出やすいのが特徴です。
🔍 医学的に効果のある対策
1. デオドラント(外用制汗剤)
市販の制汗剤には「クロルヒドロキシアルミニウム」などの汗腺を一時的に塞ぐ成分が含まれています。
→ 有効成分がエクリン腺を閉じ、汗の分泌量を抑制。医療用では「パースピレックス」「オドレミン」などが代表。
2. 皮膚の洗浄と保湿
ニオイの原因菌(表皮ブドウ球菌など)は、皮膚の高温多湿環境で繁殖します。
→ 1日1〜2回のシャワーで清潔を保ちつつ、ゴシゴシ洗いすぎはNG(バリア機能低下で菌が増えやすくなる)。
3. 食生活の見直し
脂肪・糖分・香辛料の多い食事は皮脂の分泌を増やし、ニオイの元に。
→ 野菜中心の食事や乳酸菌、ビタミンCを意識して摂取すると皮膚の状態も改善されます。
4. ボトックス注射(医療機関)
医療の場では、脇の多汗症に対してボツリヌストキシン注射が行われることもあります。
→ 神経伝達をブロックし、数ヶ月間汗の量を減らすことが可能です。
💡医師からのアドバイス
体臭や脇汗は、個性の一部でありながら、悩みになりやすいデリケートな問題です。
過度に気にしすぎず、日々のケアや生活習慣の改善、必要なら医療のサポートを受けることが大切です。
まとめ
- 体臭はアポクリン腺の汗と皮膚常在菌の反応で発生
- 脇汗はストレス・食事・体温上昇など複合的に影響
- 洗浄・制汗剤・食事改善・医療で効果的にコントロール可能
「汗を止める」ではなく、「汗と上手に付き合う」意識を持つことが、美容と健康のバランスを保つ秘訣です✨
📚参考文献
- Harker, M. et al., The mechanism of human axillary odour formation, Int J Cosmet Sci. 2013
- 日本皮膚科学会「多汗症診療ガイドライン」2023年版
- Kanlayavattanakul, M. et al., Body malodours and their control: A review, J Cosmet Dermatol. 2020
Comments are closed