40代後半から50代に差しかかると、多くの女性が経験するのが「更年期による体調の変化」。中でも意外と知られていないのが、「尿もれ」と「肌トラブル」の関係です。
今回は、“ホルモンの変化”がもたらす尿トラブルと、美容面での影響について医師の視点からご紹介します。
1. 更年期と尿もれの関係
女性ホルモン(エストロゲン)は、膀胱や尿道周囲の筋肉、そして粘膜の健康を保つ役割を担っています。しかし、更年期にさしかかるとその分泌が急激に減少。
その結果として起こるのが、以下のような“尿もれ”のトラブルです。
- くしゃみや笑ったときの尿もれ(腹圧性尿失禁)
- トイレに間に合わず漏れてしまう(切迫性尿失禁)
- 排尿後もすっきりしない、残尿感
日本泌尿器科学会の報告によれば、40代後半〜50代女性の約4人に1人が、なんらかの尿トラブルを経験しているとのことです【1】。
2. 尿トラブルが引き起こす“美容ストレス”
尿もれは、見た目の問題ではないからこそ、心に与えるダメージが大きくなりがちです。
特に以下のようなメンタルストレスが、美容面に影響を及ぼすことが指摘されています:
心の状態 | 肌への影響 |
---|---|
自信が持てない | 表情筋が硬直し、たるみやくすみが目立つ |
人に会いたくない | 会話・笑顔が減り、表情が乏しくなる |
清潔感の不安 | 無意識に汗をかき、皮脂バランスが乱れる |
このように、“尿トラブルによる心の負担”は、肌の調子や見た目年齢にも影響を与えるのです。
3. 対策:ホルモンと骨盤底筋を整える
尿もれと美容をダブルで整えるためには、内側からのアプローチが有効です。
✅ 骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)
尿道・膣・肛門周囲の筋肉をゆるやかに締めたり緩めたりするトレーニングです。1日数分、座ったままでもOK。続けることで尿トラブルの改善だけでなく、血流促進や姿勢改善による肌代謝UPも期待できます。
✅ 食事でホルモンをサポート
納豆・豆乳・味噌などの大豆製品には、「植物性エストロゲン(イソフラボン)」が含まれています。ホルモン変化を穏やかに整えることで、肌のハリや潤いをサポートします。
✅ 恥ずかしがらずに相談する
尿もれは“恥ずかしいこと”ではありません。婦人科や泌尿器科、または女性外来などで相談することで、症状は大きく改善します。内服薬やパッドなども選択肢です。
🌟まとめ
更年期に起こる尿もれは、美容にも無関係ではありません。
肌を整えたいなら、まずは“排泄とホルモンのバランス”を見直すことが近道になるのです。
「年齢だから仕方ない…」と我慢せず、まずはできる対策から。心が晴れると、肌も自然と輝きを取り戻します。
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