肌荒れはなぜ起こる?メカニズムを知って正しく対処しよう【医師監修】

Beauty

「最近、肌がゴワつく」「吹き出物が治らない」
そんな肌荒れに悩んでいませんか?

スキンケアや生活習慣を工夫しているのに、肌の不調が続くときには、肌荒れの“メカニズム”を理解することがカギになります。

今回は、医学的な視点から肌荒れのしくみをわかりやすく解説します。


肌荒れ=「バリア機能の低下」から始まる

私たちの肌は「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造から成り立っています。このうち、最も表面にあるのが**角層(角質層)**と呼ばれる部分で、まるで“肌のバリア”のような役割を果たしています。

この角層には、

  • 皮脂膜(天然の保湿クリーム)
  • セラミドなどの保湿成分
  • タイトジャンクション(細胞同士のすきまを防ぐ構造)

などが存在し、外部刺激から肌を守るとともに、水分の蒸発を防いでいます。

ところが、紫外線・乾燥・洗いすぎ・ストレスなどの要因によってこのバリア機能が壊れると…

  • 肌の水分が失われて乾燥
  • アレルゲンや細菌が侵入
  • 炎症反応が起きて赤みやかゆみ

といった「肌荒れ」状態に発展してしまうのです。


炎症のサイクルが肌荒れを悪化させる

一度バリア機能が壊れると、肌は自己防衛のために炎症反応を起こします。これにより、ヒスタミンやサイトカインなどの炎症物質が分泌され、肌は赤くなったりかゆくなったりします。

このとき、かいてしまう・さらに刺激を与えてしまうと、バリアがさらに壊れて炎症が続く悪循環に。

また、ニキビの場合は「皮脂腺の過剰分泌」「毛穴の詰まり」「アクネ菌の増殖」などの条件が重なって、炎症性の赤ニキビや膿がたまる膿疱性ニキビへと進行することもあります。


肌荒れの引き金は「内側」からも

外的な刺激だけでなく、以下のような内的要因も肌荒れを招く原因です。

  • ホルモンバランスの乱れ:生理前の黄体ホルモン増加は皮脂分泌を活性化
  • ストレス:自律神経が乱れて皮脂や汗の分泌が過剰に
  • 睡眠不足:成長ホルモンの分泌が低下し、肌の修復が遅れる
  • 腸内環境の乱れ:腸は免疫や炎症制御にも関与しており、肌にも影響

正しいケアで肌本来の力を取り戻す

肌荒れを改善するには、まず“バリア機能の回復”を目指すことが大切です。

✅ 洗顔は「やさしく・ぬるま湯」で
✅ 保湿は「セラミド入り」など角層補修成分を重視
✅ 紫外線対策は通年で徹底
✅ ストレス・睡眠・食生活の見直しも忘れずに

また、慢性的な肌荒れや悪化が見られる場合は、皮膚科での適切な診断と治療も重要です。


まとめ

肌荒れは一時的なトラブルのように見えて、肌のバリア機能の崩壊と炎症の連鎖が背景にあるケースが多くあります。
正しい知識とケアで、肌本来の回復力を引き出していきましょう。

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