はじめに
「お酒を飲んだ翌日、肌の調子が悪い気がする…」
そんな経験はありませんか?
実は、お酒と肌の状態には深い関係があります。
もちろん、たまの一杯がすぐに肌荒れに直結するわけではありませんが、習慣的な飲酒は美容面において確実に“影響あり”と考えられています。
本記事では、医師の視点から「なぜお酒が肌に影響を与えるのか」「どんな飲み方なら美容を損なわないか」について、科学的根拠をもとにわかりやすく解説します。
1. アルコールが引き起こす「脱水」と肌の乾燥
お酒を飲むと、アルコールの利尿作用によって体から大量の水分が排出されます。
特にビールやワインなど利尿効果の強い飲料は、飲んでいる最中から脱水が始まっていると言われます。
体内の水分が不足すると、皮膚の角質層の水分量も低下し、
- 肌の乾燥
- ハリや弾力の低下
- 小ジワの目立ち
といった肌の老化サインが出やすくなります。
🔍POINT:お酒を飲むときは、同量の水を必ず摂ること!
2. 肝臓の負担 → 肌のターンオーバーが乱れる?
アルコールは肝臓で分解されますが、その過程でアセトアルデヒドという毒性物質が一時的に発生します。
このアセトアルデヒドが血中に残ると、
- 活性酸素の発生
- 炎症の促進
- 皮脂分泌の乱れ
といった影響を肌に与える可能性があり、結果として、
- ニキビ・吹き出物
- 赤みやくすみ
- 毛穴の目立ち
といった肌トラブルにつながることもあります。
特に肝機能が未成熟な若年層や、代謝酵素(ALDH2)が弱い体質の方(日本人に多い)は、肌への影響が出やすいとされています。
3. 睡眠の質が下がる → 肌の回復タイムが短縮
「お酒を飲むとよく眠れる」と思われがちですが、実はアルコールは深い睡眠(ノンレム睡眠)を妨げることが知られています。
睡眠中、とくに深い眠りの間に「成長ホルモン」が分泌され、肌の修復や再生が行われます。
しかし、アルコールによって睡眠の質が下がると、この回復タイムが短縮され、肌の再生力が落ちてしまうのです。
✅ 飲酒後に「なぜか肌がくすむ」「目の下にクマができる」…というのは、睡眠の質が低下しているサインかもしれません。
4. 飲酒が腸内環境に影響 → 肌のバリア機能低下
近年、「腸と肌の関係(腸-皮膚軸)」が注目されています。
アルコールは、腸内の善玉菌を減らし、腸粘膜を荒らすことで、
- 腸内フローラの乱れ
- 栄養吸収の効率低下
- 慢性炎症の増加
を引き起こすと考えられています。
この結果、肌のバリア機能が低下し、刺激に弱くなる・乾燥しやすくなる・赤みが出るといったトラブルが生じやすくなります。
5. お酒とのつき合い方次第で美肌は守れる!
美容のために「お酒を完全に断つ」必要はありません。
大切なのは、“肌に配慮した飲み方”を意識することです。
✅ 美肌のための飲み方の工夫
- アルコールの量は控えめに(週に2~3回、1~2杯程度)
- 水をこまめに飲む(お酒1杯に対して水1杯が目安)
- ビタミンB群・C・抗酸化食品を意識して摂取(肝臓と肌を守る)
- 飲んだ日はしっかり保湿・早めに就寝
- できれば空腹での飲酒は避ける(血糖値・肝機能に影響)
医師からのひとこと
お酒を楽しむこと自体が悪いわけではありません。
ただし「美肌を育てる」という観点から見ると、飲酒には小さなリスクがいくつも重なっていることも事実です。
肌の調子が悪いと感じるときは、「スキンケア」だけでなく、「お酒の量・頻度」も見直してみましょう。
“ほどよい距離感”で付き合えば、お酒も肌も無理なく両立できます。
まとめ
- アルコールは脱水・活性酸素・腸内環境に影響し、美容にとってはリスクもあり
- 適量の飲酒+水分補給・栄養バランスを意識することで肌ダメージを軽減
- 美肌のために、飲んだ翌日は「保湿・睡眠・抗酸化ケア」が鉄則!
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