ストレスと美容の関係(後編)

Beauty

肌タイプ別・心と体の整え方【医師監修】

前回の記事では、ストレスが肌に与える影響を、医学的根拠をもとに4つの肌タイプ(乾燥肌、脂性肌、混合肌、敏感肌)に分けてご紹介しました。今回はそれぞれの肌タイプに合わせた「ストレスケアと美容法」について、医師の立場からアドバイスしていきます。


■ 乾燥肌 × ストレス:内側から潤すケア

乾燥肌の人はストレスによって角質層のバリア機能が低下し、水分保持力がさらに失われやすくなります。そんなときは、外側の保湿ももちろん大切ですが、内側からの“水分と栄養補給”も意識しましょう。

医師のおすすめ:

  • セラミドやヒアルロン酸配合の保湿剤でバリア機能をサポート
  • 温度・湿度管理された部屋で睡眠をとる(加湿器も活用)
  • ストレスによる食欲低下時でも、水分とビタミンB群・鉄分は意識的に摂取を

とくに鉄分や亜鉛は皮膚のターンオーバーに欠かせず、ストレスで失われやすい栄養素です。


■ 脂性肌 × ストレス:皮脂コントロールがカギ

ストレスによって男性ホルモン(アンドロゲン)が優位になると、皮脂分泌が活発になります。脂性肌の方はニキビやテカリに悩まされやすくなるため、「ストレスで悪化しやすい」肌タイプともいえます。

医師のおすすめ:

  • 洗顔は1日2回・低刺激性の洗顔料で皮脂を優しく落とす
  • 高GI食品(白米・菓子類)の摂りすぎに注意
  • ビタミンB2・B6、マグネシウム、オメガ3を含む食品を意識

食生活では「脂質の質」を変えることで、皮脂の質も改善し、炎症性皮膚トラブルが減る可能性があります。


■ 混合肌 × ストレス:TゾーンとUゾーンのWケア

混合肌の人は、「Tゾーンは脂っぽいが、頬やあごは乾燥する」というように、部位によって皮脂分泌と水分保持力がアンバランスな状態。ストレスで自律神経が乱れると、さらにコントロールが難しくなります。

医師のおすすめ:

  • 朝晩の保湿は部位別にケアを変える(Tゾーンは控えめ、Uゾーンはしっかり)
  • 腸内環境を整える食事(発酵食品・食物繊維)でホルモンバランスを安定化
  • デジタルデトックスを意識して、自律神経にやさしい習慣を

腸と肌の関係(腸-皮膚軸)も注目されており、腸活によって混合肌の安定化が期待できます。


■ 敏感肌 × ストレス:刺激を最小限にする生活

敏感肌の方は、ストレスによる「皮膚の知覚過敏」が起こりやすく、ちょっとした気温や摩擦でも赤みやかゆみを感じてしまうことがあります。まずは“刺激を与えない生活”をベースに整えていきましょう。

医師のおすすめ:

  • コットン素材の衣類・寝具で摩擦刺激を減らす
  • スキンケアはアルコール・香料フリーのもの
  • 睡眠の質を高めるために、入浴・深呼吸・マインドフルネスを取り入れる

睡眠中に皮膚の修復は活発になります。副交感神経が優位になる時間帯(夜10時〜2時)を意識して、ぐっすり眠ることが大切です。


■ 最後に:肌も心も「タイプに合わせたケア」がいちばん

ストレスと肌の関係は、人によって出方が異なります。肌質ごとに現れやすいトラブルを理解し、それぞれの対処法を知ることが、美容とメンタルの両方を守る第一歩です。

あなたの肌が語る声に耳を傾けながら、心と体のバランスを大切にしてあげましょう。次回は、季節や年代別に見た“ストレスと美容の関係”について掘り下げていきます。

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